【2025年NHK土曜ドラマ】「ひとりでしにたい」放送開始！綾瀬はるか主演の終活コメディーとは？

2025年6月21日よりNHKで放送がスタートする土曜ドラマ「ひとりでしにたい」は、綾瀬はるかさん主演による異色の終活コメディーです。

原作はカレー沢薫さんの人気漫画で、「婚活」から「終活」へと価値観を大転換した女性の物語が描かれます。

豪華キャストに加え、佐野勇斗さんの出演、椎名林檎さんが手掛ける主題歌「芒に月」など、見どころ満載の作品に注目です。

ドラマ「ひとりでしにたい」のあらすじと背景

「ひとりでしにたい」は、単なるヒューマンドラマではありません。

現代日本における“ひとり”と“老い”の問題に正面から向き合いながら、それをコミカルに描き出すという、前代未聞の作品です。

その物語は、決して他人事ではない、私たち自身の人生にも通じるものがあります。

婚活から終活へ！主人公・山口鳴海の決断

綾瀬はるかさん演じる主人公・鳴海は39歳。

結婚歴なし、子どもなし、趣味と推し活に生きる独身生活を謳歌していました。

そんな彼女の心に変化が訪れたのは、尊敬していた伯母が孤独死したことがきっかけでした。

「このままでは自分も同じようになるのではないか」という不安が押し寄せ、彼女は突如婚活に走ります。

しかし現実は厳しく、年齢の壁や同僚の冷静な意見に打ちのめされることに。

そこで鳴海が出した答えは、「結婚」ではなく“終活”でした。

孤独死と家族問題をテーマにした社会派ドラマ

このドラマの奥深さは、単に終活の手順や知識を紹介するのではなく、

人間関係、家族、仕事、過去の後悔といった複雑な感情や現実を丁寧に描いている点にあります。

鳴海の家族にも様々な葛藤があり、父親の世代と現代の価値観の衝突、母親の隠された思い、そして弟夫婦との緊張感ある関係など、家族の“あるある”が多くの視聴者の共感を呼びます。

また、登場人物たちが抱える人生の選択や価値観の違いが、

“誰もが通る道”として視聴者に問いかけてくる構成も非常に巧妙です。

豪華キャストが勢揃い！主要人物をチェック

「ひとりでしにたい」は、綾瀬はるかさんの主演だけでなく、実力派・個性派キャストが揃った充実の布陣も大きな見どころです。

それぞれが物語の中で重要な役割を担い、ドラマに奥行きと共感を生み出しています。

ここでは主要な登場人物を紹介しながら、彼らの役割と物語への影響を紐解いていきます。

綾瀬はるか×佐野勇斗の絶妙な関係性

主人公・山口鳴海を演じるのは、国民的人気女優の綾瀬はるかさん。

理想と現実の狭間でもがきながらも前向きに生きる独身女性を、柔らかくも芯のある演技で魅せています。

そんな鳴海に言葉の刃を突き立てる年下の同僚・那須田優弥役には、佐野勇斗さんが起用されています。

彼は都庁からの出向組というエリートでありながら、なぜか「終活」や「孤独死」について詳しいというミステリアスな存在。

ぶつかりながらも心を通わせていく2人の距離感が、ドラマに深みとドキドキ感を加えています。

國村隼・松坂慶子・満島真之介らが脇を固める

主人公・鳴海の家族を演じるのは、いずれも名優ぞろい。

父・山口和夫役に國村隼さん、母・山口雅子役に松坂慶子さんが出演。

昭和的な価値観に固執する父と、ダンスに夢中な母という対照的な夫婦が、鳴海の「終活」にも少なからぬ影響を与えていきます。

また、鳴海の元カレで保険会社勤務の川上健太郎役に満島真之介さんが登場。

15年ぶりに再会する2人のやり取りは、過去の恋愛と未来の人生選択が交差する見逃せないシーンとなっています。

そのほか、小関裕太さん、恒松祐里さん、山口紗弥加さんなど、若手からベテランまでが勢揃いし、一人ひとりの人生と想いが交差する群像劇を形作っています。

まさに「キャストの厚み」がドラマの魅力を底上げしている好例といえるでしょう。

原作漫画との違いとドラマならではの表現

「ひとりでしにたい」は、カレー沢薫さんによる同名漫画が原作です。

原作は“終活”をテーマにした異色のギャグ漫画でありながら、社会問題に切り込む鋭い視点と毒のあるユーモアが魅力です。

その世界観を実写化するにあたり、NHKがどう映像作品として昇華させたのかが注目ポイントとなっています。

カレー沢薫の原作が持つユーモアとリアル

原作漫画では、主人公・山口鳴海が終活セミナーや婚活イベントを巡りながら、「死ぬまでの生き方」を模索する様子が描かれます。

キャラクターの内面に斬り込むブラックジョークや社会風刺、“あるある”の共感を誘う描写が随所に散りばめられており、笑いながらも胸に刺さる作品です。

その分、ややトーンがシニカルになりがちなのが原作の特徴でした。

大森美香の脚本が描く人間ドラマの深み

今回のドラマ化において脚本を手がけるのは、「あさが来た」「青天を衝け」などで知られる大森美香さん。

大森さんの手によって、原作のブラックユーモアはそのままに、人物の感情や人間関係により深く焦点を当てた脚色がなされています。

鳴海の家族や職場の人々との関係性が丁寧に描かれ、「死を考えることで、どう生きるかが見えてくる」という普遍的なテーマに昇華されています。

ドラマは全6話構成という限られた尺の中で、キャラクターの背景や想いを詰め込む必要がありますが、それが逆にテンポのよい展開につながっています。

視覚的な演出や間の取り方、音楽の使い方など、漫画にはない映像ならではの表現も多く見どころのひとつです。

主題歌は椎名林檎「芒に月」！音楽も注目ポイント

「ひとりでしにたい」のもう一つの大きな魅力が、椎名林檎さんによる書き下ろし主題歌「芒に月（すすきにつき）」です。

楽曲はドラマの持つ空気感に深くマッチし、作品全体に独特の温度と余韻を与えています。

ドラマの世界観をより豊かに彩る音楽として、視聴者からも高い関心が寄せられています。

椎名林檎が語る「芒に月」制作の裏話

椎名林檎さんは、「芒に月」について、“人生の秋に差し掛かった時の心模様”をテーマにしたと語っています。

「すでに盛りを過ぎた草花と、それでも月明かりに照らされる人生の瞬間。そんな情景を音に込めました」

このコメントからもわかるように、“枯れゆくもの”を受け入れながら生きる美しさが、この楽曲には込められています。

鳴海というキャラクターの心情とも深く重なり、まさに「終活コメディー」の感情の核心を支える存在です。

パスカルズが奏でる劇伴音楽にも注目

主題歌とあわせて注目したいのが、劇伴音楽を担当するパスカルズの存在です。

彼らの音楽は、アコーディオンや弦楽器などを使い、どこか懐かしく、あたたかく、そしてちょっぴり哀しい音色が特徴です。

登場人物たちの繊細な感情や空気の揺らぎを、音でやさしく包み込むように表現しており、ドラマにぴったりの世界観を築き上げています。

音楽という形で表現された“生きること”と“死に向き合うこと”。

それが、「ひとりでしにたい」を単なるドラマ以上の“生き方のヒント”を与える作品へと昇華させています。

「ひとりでしにたい」ドラマ版まとめ：人生を笑って考えるきっかけに

「ひとりでしにたい」は、終活をテーマにしているにも関わらず、どこか前向きで、温かくて、笑える――そんな不思議な魅力に満ちたドラマです。

人生の終わりを考えることは、実は今この瞬間をどう生きるかを見つめ直すことに他なりません。

このドラマは視聴者に、そんな“自分らしい生き方”を考えるきっかけを与えてくれます。

終活がテーマでも暗くない！人生賛歌としてのドラマ

タイトルの「ひとりでしにたい」には、どこか悲壮感が漂いますが、実際の内容は明るく、そして人生を楽しむことを肯定する物語です。

主人公・鳴海が選んだ“終活”とは、決して死を待つ準備ではなく、「一人でも最後まで笑っていられる人生」を作るための挑戦なのです。

老いや死をタブー視せず、笑って話せる空気を作る、そんな新しい価値観がこのドラマからは確かに伝わってきます。

綾瀬はるかが語る「今を生きる」というメッセージ

主演の綾瀬はるかさんはインタビューで、

「未来設計図とか持ってなくて、その時その時って…身を任せてみたいな」と、自身の生き方と鳴海の価値観がリンクしていると話しています。

この言葉には、予定通りにならない人生を、受け入れながら前に進んでいく勇気が込められています。

鳴海の姿を通して、“ひとり”を恐れず、“自分”を信じて生きることの美しさを、きっと多くの人が感じ取るはずです。

全6話という短い放送期間ですが、視聴後にはふと立ち止まって、自分の人生を見つめ直したくなる。

「ひとりでしにたい」は、そんな価値ある時間を与えてくれる、2025年注目のNHK土曜ドラマです。